派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

 魔法学園入学二日目、私は今日も当然教室に来ていた。
 今日から、授業が始まる。多くの人にとっては、初めての授業だ。しかし、私は前にいた世界でも学校に通っていたので、久し振りの授業である。

「アルフィア様、おはようございます」
「ええ、おはよう、メルティナ」

 教室に来て自分の席に座ると、メルティナが挨拶をしてきた。それに対して、私も笑顔で挨拶を返す。
 昨日は、入学式を終えて、寮に来て、それからメルティナとほとんど行動を共にした。関わらないようにしようと決めていた彼女と、あそこまでともに過ごすことになるなんて、私の当初の計画は既に破綻しているといえる。
 だが、別にあまり問題はないはずだ。既に、メルティナとアルフィアの関係はゲームとは大きく違う。これで、ゲーム通りの末路を辿るとは思えない。
 そのため、私はメルティナと普通の友人として振る舞うことに決めた。多分、それでいいと思うのだ。

「昨日は、色々とありがとうございます。おかげで、楽しい時間が過ごせました」
「別に気にしないで……というか、そんな言い方はしなくていいのよ。楽しい時間が過ごせたのは、お互い様なのだから」

 とはいえ、これから私が豹変して彼女を虐めたとしたら、悲惨な末路を辿る可能性はある。そんなことをするつもりは微塵もないが、何かのきっかけで大変なことになるかもしれないので、油断は禁物だ。