派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

 私は、元の世界に戻って来ていた。
 本当に、あちらの世界に行く前と同じ場所に同じ時刻に帰ってきたので、無事に家にも帰ることができ、姉に心配されることもなかった。
 それから、私は普通の日々を送っている。こちらの世界には、魔法なんてものはない。そんなただ当たり前の生活が、なんだか懐かしく思えた。

「……あれ? どこに行ったんだろう?」

 元の世界に戻って来てから少しして、私はあるものを探していた。
 それは『Magical stories』である。あのゲームを久し振りにやってみようと思ったのだ。
 だが、いくら探してもあのゲームは出てこない。置いていたはずの場所に、ゲームがないのである。

「お姉ちゃんも、私の部屋のものは動かしていないと言っているし……」

 お姉ちゃんが、私の部屋を掃除した際に物を動かしたという可能性も考えたが、それもないようだ。
 つまり、『Magical stories』は忽然と姿を消したということになる。それは、とても奇妙なことだ。

「……調べてみようかな?」

 私は、ふと思い立ってパソコンを立ち上げた。
 そして、検索してみる。『Magical stories』のことを。

「……出てこない」

 しかし、私が検索しても『Magical stories』というゲームのことは出てこなかった。
 私の家からだけではなく、この世界からあのゲームの記録はなくなっているようである。