派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

 リオーブの手に、魔力が集中しているのがネルメアにはわかった。
 彼女は、必死に逃げようとした。しかし、その体は動かない。リオーブが、いつの間にか魔力で拘束していたようだ。

「ま、待つのよ、リオーブ! 私も反省しているの! どうか許して!」
「……本体は憑き物が落ちたような顔をしていたが、お前からは全然そんな感じがしないな。こんなにも違うなんて、俺も驚きだ」
「や、やめて!」
「さらばだ……」
「ぎ、ぎゃああああ!」

 リオーブの魔力が、一気に解き放たれて、ネルメアの体を消滅させていく。
 そんな中、リオーブは思っていた。これで、やっと全てが終わったのだと。
 姉の魂を奪われて、婚約者を操られて、ネルメアと彼との因縁は根深いものだった。
 そんな彼女は、今完全に滅びた。そのことに、リオーブは開放感のようなものを覚えるのだった。

「これで、終わったんだ……長きに渡る因縁が」

 リオーブは、ネルメアの方を振り返らずに歩いていく。全ての戦いが終わったことを確信して、彼は笑みを浮かべるのだった。