派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

『来ないの? それなら、こちらから行かせてもらうけど……』
「……仕方ありませんか」
『ぬっ……!』

 ネルメアが動き出そうとした瞬間、メルティナの体から光が放たれた。
 それは先程ゴーレムを一撃で葬り去った光だ。その眩しさに、私は再び目を閉じる。

『かあっ……』

 次に目を開いた時、ネルメアのゴーレムはその体の大半を破壊されていた。
 左腕に続いて、右腕も失い。下半身もぼろぼろだ。明らかに、戦える状態ではない。
 しかし、それでもその形を留められているのは、暗黒の魔女の魂が入っているからなのだろう。恐らく、彼女はその魔力で身を守っていたのだ。

『さ、流石ね……ふふ、危うく消滅する所だったわ』
「……すぐに消滅させてさしあげますよ」
『ふふふ……』
「……何がおかしいんですか?」

 メルティナの言葉に対して、ネルメアは笑っていた。
 その笑みは、とても嬉しそうだ。そう思って、私は最後のゴーレムの方を見ていた。彼女の目的を考えると、その笑みの理由はそこにあると思ったからだ。

「……あれは」

 そして、私は気付いた。彼女の夫の魂が入ったゴーレムの中から、一人の男性が出てきていることに。