派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

『この一撃を受け止められるかしら?』
「くっ……」

 ネルメアの魂が入ったゴーレムは、大きく拳を振り上げた。その巨大な拳を、メルティナに振り下ろそうというのだろう。
 それに対して、メルティナは回避することを選んだ。結界などで防御すると、先程のようになり兼ねないと思っているからかもしれない。

「こちらからも行かせてもらいます」
『ぬうっ……』

 メルティナは、光の球体を作り出してゴーレムに放った。
 それは、先程よりも慎重な攻撃だ。だが、それでも彼女の魔弾は一級品。喰らえば、一たまりもないだろう。

『くうっ!』
「なっ……!」

 しかし、ネルメアはその魔弾を受け止めた。巨体とはいえ、飛んだり跳ねたりしていたのだから、いくらでも回避できる方法はあったはずなのに。
 それにより、彼女のゴーレムは破壊されていく。その左肩が崩れて、左腕が地に落ちたのだ。
 それには、メルティナも驚いている。彼女も、まさかここまで簡単に攻撃が当たるとは考えていなかったのだろう。

「……何を考えているんですか?」
『ふふっ……何かしらね』
「……」

 今のネルメアのゴーレムは、隙だらけである。しかし、メルティナは攻撃の手を止めた。暗黒の魔女の策略が、何かしらあると思ったからだろう。
 もしかすると、それが彼女の狙いなのだろうか。そう思ったが、その割に彼女に動きはない。
 そもそも、メルティナの攻撃を躊躇わせることが狙いなら、その代償が大きすぎる。あのゴーレムは四肢の内一本を失った。それは、損失としてはかなりのものだろう。