派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

『……次から次へと鬱陶しい。だが、まだゴーレムは四体自由……こちらの優位は変わらない』
「いや、三体だ」
『……何?』

 イラつくネルメアの言葉を遮ったのは、ディゾール様だった。
 暗黒の魔女を含めて、私達は彼の言葉を理解できなかった。しかし、周囲を見渡してみると、確かにゴーレムが一体いなくなっている。

『なっ……何をした』
「お前のゴーレムの内一体は、俺が空間の狭間に閉じ込めた」
『ば、馬鹿な……お前に、そんな魔力が残っている訳がない』
「確かに、俺の中にもう魔力は残っていなかった。だが、それは俺の中の話だ」
『……む?』

 ネルメアとほぼ同時に、私もあることに気づいた。ディゾール様の後ろに、二人の女性が立っているのだ。
 それは、ファルーシャとアルフィアである。どうやら、二人はディゾール様に自らの魔力を分け与えたようだ。

『お前達……』
「シャザーム、あなたが私の体を使って何度も他人を操っていたおかげか、私もその魔法を体が覚えていたようです」
「私も、あなたに操られていたことがあるから、そういう魔法は理解しやすかったわ」
『くっ……』

 ネルメアは、他人を自身の魔力で何度も操っていた。その時の経験は、二人の体にしっかりと残っていたようである。
 操っていたファルーシャも、操られていたアルフィアも、魔力の譲渡に関する魔法を簡単に使えるようになっていたようだ。それは、暗黒の魔女にとっても、大きな誤算だっただろう。