派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

『やはり、そういうことだったのね』
「……確かに、空間魔法にはそれなりのリスクがある。だが、それでも、お前のゴーレムとやらは、一体破壊できた」
『ゴーレム一体とあなたが交換なら、安いものだわ。正直、メルティナの次に厄介だと思っていたのは、あなただもの』

 ディゾール様の言葉に対して、ネルメアは嬉々とした声をあげていた。
 確かに、私達の中でメルティナに次いで魔力が多いのはディゾール様である。そんな彼が戦えなくなったというのは、こちらにとって大きな損失だ。
 一方、暗黒の魔女はゴーレムを一体失ったものの、まだ七体も戦力が残っている。交換としては、あちらの方が有利といえるだろう。

「……あまり、俺を舐めないでもらおうか。この程度で、戦えなくなる程、俺はやわではない」
『強がりね』
「強がりかどうかは、今から証明してやる」

 ディゾール様は、ゆっくりと立ち上がりながらそう呟いた。その顔は、先程と変わらず苦しそうだ。無理をしているのは、明らかである。

「ディゾール様、これ以上は……」
「問題ない。この程度で折れるようでは、この魔法学園の生徒会長は務まらん」
「そんな馬鹿な……」

 心配して声をかけてみたが、ディゾール様はまったく折れてくれる気配がない。這ってでも、ゴーレムに向かって行きそうだ。