派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「かなり、こっちに近づいているみたいだね?」
「ええ、そのようですね……」

 寮の下にゆっくりと降り立った私達は、迫ってきている岩の巨人の方に向かって行った。
 彼らは、ゆっくりとこちらに歩いてきている。その足音は、すごい音だ。それは恐らく、彼らが同じ動きで、歩いているからなのだろう。

『……ふふ、まさかそちらから出て来てくれるとはね』
「え?」
「これは……」

 次の瞬間、私の頭に声が響いてきた。
 その声は、聞いたことがある声だ。忘れもしない、あの暗黒の魔女の声である。

「シャザーム……」
『……あなたは、アルフィアの中にいた魂ね。初めましてというべきかしら?』
「……シャザーム、最早そう呼ぶ必要もないのかもしれませんね。あなたの本当の名前は、ネルメア。そうなのでしょう?」
『ふふ、もう隠す必要もないわね……ええ、私の名前はネルメア。偉大なる英雄、オルディネスの妻……』

 メルティナの質問に、シャザーム改めネルメアは素直に答えた。今まで陰謀を巡らせていた彼女にしては、やけに素直だ。何か心境に変化でもあったのだろうか。

「あなたがこうして直接出てきたということは、これが最後の戦いということですね?」
『ええ、その通りよ。最早、私に残されているのは、このゴーレム達のみ。残っている魔力では、新たに生成するのも難しい……だからこそ、ここであなた達を排除して、私は計画を完遂する!』