派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「……うん?」

 メルティナの説得を終えてから、私はいつも通りに眠りについていた。
 だが、何か大きな物音がしたような気がして、ゆっくりと目を覚ます。

「……地震?」

 辺りは、まだ真っ暗だった。ということは、まだ夜は更けていないということだろう。
 私が感じた物音は、なんだったのだろうか。なんというか、地響きのような感じだったので、地震でも起こったのだろうか。

「まただ……」

 そんなことを思っていると、またその音が響いてきた。だが、揺れている感じはまったくしない。まだわからないが、地震の線は薄そうだ。
 そう思っている内に、大きな物音はまた鳴り響く、一定のリズムで、その音は鳴っているようだ。

「……まるで、何かの足音みたい」

 そこまでわかって、私はその音に対してそんな感想を抱いていた。
 よく聞いてみると、その音はどんどんと大きくなっているような気がする。
 まさか、本当に足音なのだろうか。しかし、こんなに大きな足音を、一体誰が出せるというのだろうか。

「大きな足音?」

 そう思った時に思い出したのは、メルティナとの話だ。
 正確には、彼女と話した時に見た騎士団からの手紙だろうか。岩の巨人、彼らが戦ったその操り人形なら、このような足音が出せるのかもしれない。