派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「えっと、二人の事情はわかったよ。色々とあるんだね」
「ええ……」
「そうなんです……」

 アルフィアとメルティナの事情は、よくわかった。
 二人にも色々とある。これ以上、何かを聞く必要はないだろう。

「それで、ここまで聞いたんだし、ファルーシャにも聞いてもいいかな?」
「え?」

 そこで、私はファルーシャの方に顔を向けた。
 私もアルフィアもメルティナも、恋愛関係の話をしている。ということは、今度はファルーシャの番だろう。

「リオーブ様とは、どうなの?」
「ああ、それは確かに気になるわね」
「え、いや、それは……」

 私の質問に、アルフィアも乗り気だった。そんな私達に、ファルーシャは困惑している。お淑やかな彼女のことだから、こういう話は恥ずかしいのだろう。
 だが、せっかくだから聞いておきたい。こんな機会でもなければ、こういう話はきけないのだから。

「せっかくだから聞かせてよ」
「ええ、そうよ。あなた達二人には、どういう関係なの?」
「その……別に、私とリオーブ様は、特に何もありません」

 迫る私達に対して、ファルーシャはそう言ってきた。
 その言葉に、私とアルフィアは顔を見合わせる。何もない。それは、本当なのだろうか。