派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「平民で、色々と大変だと思いますから、できれば気にかけてあげてくださいね」
「え? ええ、まあ、そうですね……」

 バルクド様の言葉に、私ははっきりと頷くことができなかった。あまり関わらないようにしようと思っていたからだ。
 彼女とわざわざ関わる必要はない。自分が破滅する要因を作るようなことなど、したくはないのだ。
 ただ、バルクド様の言っていることもわからない訳ではない。私もメルティナにはそれなりに思い入れもあるので、困っているなら助けてあげたいという気持ちはある。

「さて、そろそろ担任も来るでしょうし、席に着きましょうか」
「あ、はい。そうですね……」

 結局の所、私はメルティナにどう接するかに割と迷っていた。かつてプレイしたゲームの主人公への思い入れ、自分の破滅の要因になるかもしれないという恐怖、その狭間で私は思い悩んでいるのだ。