派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「べ、別にそんなことはないさ」

 キャロムは、顔を赤くしていた。それも、なんだか可愛らしい態度である。
 ただ、別にそこまで嫌がってはないようだ。
 考えてみれば、この程度で嫌ならドルキンスとは付き合っていけないだろう。なぜなら、彼はとても素直な人だからだ。

「キャロム君、寂しいならそう言ってくれればいいんだぞ。俺もシズカ嬢も、しっかりと受け止めてやるからな」
「いや、だから別にそんなことはないと言っているだろう?」

 ドルキンスの言葉に、キャロムは照れながらも反論した。頑なに、寂しがっていたとは認めないつもりのようだ。

「さあ、キャロム君、俺の胸に飛び込んでくるがいい!」
「いや、飛び込まないよ?」
「なんだ? シズカ嬢の方に飛び込みたいということか? まあ、気持ちはわからない訳ではないが、そういうことを女性に求めるものではないぞ?」
「違う! 僕はそんなこと言っていない!」

 キャロムは、顔を真っ赤にして反論していた。こんなに興奮しているキャロムを見るのは、久し振りである。
 いつ見たのか思い出してみると、それはメルティナと体育館で戦った時のことだった。あの時の動揺に比べて、今回はなんとも可愛いものである。