派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「別に、私は特に何かをしたという訳ではないよ。メルティナや他の皆が頑張ってくれたから、あなたは助かった訳だし……」

 アルフィアからお礼を言われて、私は思わずそんなことを言っていた。
 先程まで色々と考えたせいで、この会話でもそれを引きずってしまったようだ。ここは、卑屈になるような場面ではないはずなのに。

「そういうことではないわ。私が言っているのは、私にしてくれた説教のことよ」
「え? 説教?」
「あの時、あなたがああ言ってくれなければ、私は変われなかったと思っているのよ」

 アルフィアは、少し恥ずかしそうにしていた。こうやって、面と向かって素直な気持ちを伝えるのに慣れていないからだろう。
 それはなんだか少し可愛らしいような気がしたが、今重要なのはそこではない。彼女が話している内容の方である。
 つまり、彼女は元の体に戻れたことに対するお礼ではなく、あの時の言葉に対するお礼を言っているのだ。

「ええっと……あの時は、偉そうなことを言って、ごめんね」
「……なんで謝るのよ?」