派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「あれ?」

 そこで、私は少し驚いた。戸を叩く音が、聞こえてきたからだ。
 寮の部屋を訪ねられることは、珍しいことではない。大方、メルティナ辺りが何か話したいことがあって、訪ねて来たのだろう。

「えっと……誰ですか?」
「アルフィアよ。入ってもいいかしら?」
「え? あ、うん。大丈夫だよ」

 予想が外れて、私は少々驚くことになった。
 まさか、アルフィアが訪ねてくるとは思っていなかった。なんだか、少しだけ緊張してしまう。

「とりあえず、そこにでも座って」
「ええ」
「……それで、どうしたの?」
「……あなたと話したかったのよ」

 アルフィアは、恐る恐るそう言ってきた。それは、もしかして私に断られるかもしれないと思っているのだろうか。
 なんというか、とてもしおらしい。あまり、彼女らしくない態度である。

「えっと、何を話したいの?」
「……まずは、改めてお礼を言わせてもらうわ。あなたのおかげで、私はこうやっていられる……だから、ありがとう」