派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「俺達より、年下だよな……?」
「ああ、なんなんだろうな……?」

 だが、ここにいる多くの人達は、キャロムのことなんて知らない。そのため、年下の人物が壇上に上がったこの状況に困惑するのは、当たり前のことだ。
 ちなみに、新入生代表の挨拶は、入学試験の成績によって決まる。原則として、成績の第一位が代表になるのだ。
 この試験に落ちると入学できないのだが、そうなると貴族としてはとんでもない恥になるので、基本的には落ちることはない試験である。しかし、それでも試験で一位になるのは難しい。当然のことながら、あそこに立つ名誉は計り知れないものなのだ。

『在校生の皆さん……いや、まあ、もういいか。こんなの』

 そんな名誉ある場所に立ったキャロムは、まずそんなことを言った。
 その様子に、会場はまたざわつき始める。当たり前のことだが、新入生代表の挨拶でこんなことを言うのはおかしい。こういう騒ぎになるのは、仕方ないことである。

『さっきの生徒会長の挨拶は、面白かったよね……でも、彼は間違っている』

 キャロムは口の端を歪めながら、そんなことを言い出した。ディゾール様の意見が間違っていると、堂々と否定したのだ。
 その発言に、一部の人達はまた騒ぎ始めた。その人達は、先程までディゾール様の言葉を否定していた人達だ。
 恐らく、彼らは期待しているのだろう。キャロムが、生徒会長を痛烈に批判することを。