派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「アルフィアさん、正直に言わせてください。僕も、あなたに消えて欲しくないと思っています」
「バルクド様……」

 キャロムが黙ってから、バルクド様がゆっくりと口を開いた。彼は、深刻な顔をしている。私が消えることを悲しいと思ってくれているのだろう。

「あなたから話は聞いています。でも、僕にとってアルフィアはあなただ。大切な婚約者は、あなたに違いありません」
「……でも、本物のアルフィアを見捨てていいということにはならないでしょう?」
「それは、そうですが……」

 バルクド様は、時が巻き戻る前の記憶がない。彼女にとって、私がアルフィアでしかないのだ。
 本物といわれてもよくわからない。それが、彼の感想なのだろう。
 だが、それでもその人を見捨ててはならないと思えるのがバルクド様だ。そういう彼の優しさを私は尊敬している。

「アルフィア……俺もバルクドと同じよう気持ちは抱いている。正直言って、本物とか偽物とか、そういうことはわからない……だが、俺はあんたに消えてくれというしかない」

 次に言葉を発したのは、リオーブだった。
 彼は悲しそうな顔をしている。だが、それでも私に消えてくれというつもりであるらしい。

「もしもファルーシャが姉貴の魂を隠していなければ、姉貴はアルフィアと同じようになっていたかもしれない。そう考えると……俺は、アルフィアに助かって欲しいと強くそう願わずにはいられないんだ」
「リオーブ様……」