派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

 メルティナの気持ちは、私にとってありがたいものだ。
 だけど、それに甘えてはいけない。私という人間は、この世界の住人ではない。天に昇る際、偶然この世界に迷い込んできただけなのだ。
 その偶然は、暗黒の魔女の悪意によって生まれたものである。その悪意の犠牲になったアルフィアの体に、私がいつまでも入っている訳にはいかない。

「アルフィアが元に戻ったら、私はこの体から出て行くわ。そして、私は帰る。アルフィアの魂が在るべき場所に帰ったように、私が在るべき場所へ……」
「そこが、あなたの在るべき場所だと……どうして、そう思えるのですか? そこに行こうなんて、どうして……」
「それが当たり前のことだからよ」
「当り前だなんて……私には、そうは思えません」

 メルティナの目には、涙が滲んでいた。それを見ていると、なんだかこちらも泣きそうになってくる。
 だけど、私は自分の考えを曲げるつもりはない。どれだけの人に惜しまれたとしても、この決意は揺るがないだろう。
 全てに決着をつける。それが、この事件を経てから、私が抱いた思いだ。
 そう思えるようになったのは、自分が成長できたからなのだろうか。私は、そんな感想を抱くのだった。