派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

 アルフィア達がシャザームの研究室を探索しているのと同じ時、メルティナはドルラーン侯爵家の屋敷に来ていた。
 彼女の目的は、リオーブの姉であるリリシアを元に戻すことだ。という訳で、メルティナはリリシアの部屋まで来ている。

「姉貴、いよいよ元に戻れるぞ……」

 リオーブは、ゆっくりと姉にそう語りかけた。その姿を見て、メルティナは考える。彼は今まで、どれ程苦しんできたのだろうかと。
 時が巻き戻る前から、彼は苦しんでいた。それを考えると、心が痛んだ。だから、メルティナは必ず彼女を元に戻さなければならないと、改めて決意を固めるのだった。

「さて、リオーブ様、それではあなたの中からリリシア様の魂を取り出します」
「ああ、頼む」
「はい……ソウルキャッチャー」

 メルティナは、リオーブに手をかざして、彼の中から魂を探り出す。以前見たことがあるため、魂はすぐに見つかった。
 その魂を、メルティナはゆっくりと引き抜いていく。

「これが、姉貴の魂……」
「はい、今からこの魂をリリシア様の体に入れます」
「あ、ああ……」

 メルティナは取り出した魂を、リリシアの中に入れる。特に抵抗もなく、魂は彼女の中に入っていく。

「んっ……」
「あ、姉貴? 目覚めたのか?」
「リオーブ? あれ? 私……」

 リリシアは、ゆっくりと目を覚ました。彼女は、少し驚いたような顔をしている。自分が元に戻ったことに困惑しているようだ。
 リリシアは、自分の体の調子を確かめるように動かしている。その直後、彼女の表情はあかるいものへと変化する。