「一緒について来て欲しいと言ったのに、仲が良くないなんて、そんな理論が通るのかしら?」
「うっ……」
「ははっ! アルフィア嬢の言う通りだな! キャロム君、さあ俺との交友関係を認めるんだ!」
「はあ……まあ、そういうことでもいいけどさ」

 私とドルキンスの言葉に、キャロムは目をそらした。恐らく、照れているのだろう。
 こういう反応をされると、益々可愛いと思ってしまう。そう言ったら、キャロムは怒るかもしれないが。

「ふふ、アルフィア様も含めて、仲がよろしいのですね?」
「え? そ、そうかしら?」
「そうだろう。アルフィア嬢も含めて、俺達は親友だ。おっと……もちろん、ファルーシャ嬢だって、今日から親友になれるぞ。たくさん話して、交流を深めようじゃないか」
「……ありがとうございます、ドルキンス様」

 ファルーシャの言葉に、私は困惑してしまった。なんというか、キャロムの気持ちが少しわかった。確かに、これを素直に認めるというのは、中々難しいことである。結構、恥ずかしいのだ。
 だというのに、ドルキンスはすぐにそれを肯定した。さらには、ファルーシャまで親友にしようとしている。
 やはり、彼は器が大きい。自己評価が低い彼だが、充分立派な人間である。私はキャロムと顔を見合わせながら、そんなことを思うのだった。