派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

 リオーブは、いつもこういう風にぎりぎりなことをする。彼はいつも、言い訳ができるようなことをするのだ。
 今のように、ぎりぎりの時間に来るのもそうなのだが、彼の理論はいつも心情的には少し首を傾げたくなる部分もあるが、間違っている訳ではない。そんな少し厄介と思えるようなことをするのが、彼なのだ。

「ファルーシャさんも、お前のことを心配していたんだぞ?」
「……そうか。ファルーシャ、それは悪かったな」
「あ、いえ、気にしないでください。私が心配し過ぎていただけですから」

 しかし、ファルーシャの話が出た瞬間、リオーブは謝罪した。流石に、婚約者を心配させたことについては、申し訳ないと思っているようだ。

「さて、これから誠心誠意謝罪の言葉を述べていきたい所なんだが、生憎もう入学式が始まってしまう。ここで話していると間に合わなくなってしまうぜ」
「お前は、いつもそれだな……そうやって、予定があるからといって逃げるのは、卑怯だとは思わないのか?」
「なんと思われてもいいさ。だが、入学式が迫っているのは紛れもない事実だ。俺は遅刻したくない。早く会場に行くとしようぜ?」

 リオーブは、バルクド様に対してまたも不敵な笑みを浮かべていた。あの笑みは、彼の得意技だ。
 言っていることも、彼の常套句である。時間がないから、後にしよう。時間がないから、この話はやめよう。そうやって煙に巻くのも、いつもの流れだ。
 質の悪いことに、本当に入学式まで時間はない。そのため、私達は入学式の会場に向かうのだった。