派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「結果的に、アルフィア様は裁かれることになりました。巧妙だったシャザームは、自分の関与はばれないように仕掛けを施していました。しかし、彼女はそれでも心配だったのです。何かのきっかけで、自分の関与がばれるのではないかと……」
「まあ、事実としてメルティナは疑っていた訳だものね……」
「ええ……だから、彼女はアルフィア様の魂を奪うと決めたのです。彼女を亡き者にして、事件を終わらせようとそう思ったのです」
「なるほど……」

 シャザームの考えは、なんとなく理解できる。あの暗黒の魔女は、なんというかやけに慎重だった。アルファアからばれると思って、魂を奪っても不思議ではない。

「シャザームは、アルフィア様の魂を奪い取ることに成功しました。しかし、その時不思議なことが起こったのです。時が……巻き戻ったのです」
「丁度その時、時が巻き戻ったのね……」
「ええ、ですが、不思議なことに魂はその手に残っていました。そこから……彼女は、恐ろしいことを始めたのです」
「恐ろしいこと……?」

 そこで、ファルーシャの表情が変わった。先程までも明るくはなかったが、とても暗い表情になっていたのだ。
 その顔を見ていると、とても嫌な予感がしてくる。アルフィアに、一体何があったというのだろうか。

「シャザームは、アルフィア様の魂で実験を始めました。彼女の魂を傷つけたり、分割したり……恐ろしい実験でした」
「そ、そんなことを……」