派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「ファルーシャ、アルフィアとレフェイラの魂は、どうなっているの?」
「それは、順を追って説明します。まずは、アルフィア様の魂が奪われる経緯から……」
「ええ、お願い」

 私の言葉に、ファルーシャはゆっくりと頷いてくれた。二人の魂、それは一体どうなっているのだろうか。

「シャザームは、魔法学園に入学するまで、特に目立ったことはしませんでした。リリシア様の魂を手に入れられなかったことで、慎重になったのでしょう。その間、私は彼女に精神を蝕まれていきました。入学前くらいには、彼女の意のままに行動するような状態でした」

 ファルーシャは、暗い顔をしていた。他人に自分を乗っ取られる。それは、とても辛いことだっただろう。そんな顔になるのも、当然のことである。

「ある時、シャザームはメルティナさんの噂を聞きつけました。そこで、彼女は決意したのです。メルティナさんを排除しなければならないと……」
「私を排除……」
「そのために、彼女はアルフィア様を扇動することにしました。自ら動くことは危険だと思ったのか、彼女を扇動したのです」