派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「……これで終わりね」
「ええ……」

 私の言葉に、メルティナは少し息を切らしながら答えてくれた。
 流石の彼女も、今回は疲労しているようだ。それだけ、魔力を消耗したということだろう。

「ファルーシャ、ファルーシャ、しっかりしろ」
「うっ……」

 そこで、私とメルティナはファルーシャに必死に呼びかけているリオーブに気づいた。シャザームの魂が抜かれて、ファルーシャの体には彼女自身の魂だけが残っているだろう。
 私達の予想が正しければ、彼女はシャザームに操られていたはずだ。あの暗黒の魔女の思想に従っていた訳ではない。私達はそう考えている。
 だが、本当の所、どうなのかはわからない。もしかしたら、彼女自身も苛烈な思想を持っている可能性はあるのだ。
 ただ、その可能性は低いとは思っている。シャザーム自身も、操っているというようなことを言っていたし、彼女は恐らく善良であるはずだ。

「リオーブ様……」
「ファルーシャ、大丈夫か?」
「……ああ、私はなんてことを……」

 目を覚ましたファルーシャは、ゆっくりとそう呟いた。その表情は、いつも見ている彼女と同じ表情だ。
 こうして改めて見てみると、実感できた。シャザームの魂が表に出ている時と別人であると。中に入っている魂で、ここまで雰囲気が変わるとは驚きである。