派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「ど、どうして、ディゾール様がここに?」
「……お前達から、体育館を借りたいという要請を受けた時点で、何かしらの事態が起こることはわかっていた。故に、潜んで事態がどうなるかを見守っていたのだ」
「ば、馬鹿な……分割しているとはいえ、私の体を止めるなんて……」
「俺の魔力は千五百程だ。あまり舐めないでもらおう」

 ディゾール様は、ゆっくりとこちらに歩いてきて、私の前に立った。
 その背中が、とても頼もしい。これは、嬉しい助っ人が来てくれたものだ。

「……それに、僕と戦った後だ」
「キャロム、無事だったのね……よかった」

 さらに、その場にもう一人現れた。それは、キャロムである。
 彼の登場に関しては、私とメルティナは驚いていない。なぜなら、彼には元々この体育館に潜んでもらっていたからだ。
 私もメルティナも、シャザームが一筋縄ではいかないことは理解していた。そのため、多大な魔力を持つ彼に協力してもらうことにしたのだ。
 レフェイラが現れた時点で彼に何かあったのではないかとは思っていたので、こうして目の前に現れてくれて、一先ずは安心である。

「大丈夫?」
「ああ、なんとかね……助かったよ、生徒会長」
「気にするな」

 私達にとって予想外だったのは、ディゾール様がこれ程に高い魔力を持っていたことだ。
 彼が優秀な人間であるということは聞いていた。しかし、天才と呼ばれるキャロム以上の魔力を持っていたとは驚きである。こんなことなら、初めから彼にも協力を要請しておくべきだったかもしれない。