派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

 私とメルティナは、体育館に来ていた。ここで、一人の人物を待っているのだ。
 その人物は、ゆっくりと体育館の中に入って来る。ファルーシャ・ラルキネス侯爵令嬢、私達が事件の黒幕と睨んでいる人物だ。
 いや、それは正確ではない。なぜなら、私達が犯人と睨んでいる人物は、彼女であって彼女ではない人物だからだ。

「お二人とも、どうされたのですか? 急に、体育館に呼び出すなんて……」
「あなたと少し話がしたいと思ったのです」
「こんな所で、ですか?」
「ええ」

 ファルーシャは、少し困惑していた。それは、別におかしな反応ではない。体育館という特別な場所に呼び出されれば、誰だって混乱するだろう。

「ファルーシャ様は、レフェイラ様に随分と慕われていたようですね?」
「レフェイラさんですか? ええ、確かに彼女には慕われていましたね……あんなことになって、本当に残念です」

 レフェイラの取り巻きからメルティナが改めて話を伺った所、レフェイラがファルーシャを慕っていたということがわかった。
 それも、別におかしなことではないだろう。ファルーシャは、優しく美人だ。誰かに慕われるような存在として、違和感はない。

「彼女が、メルティナに対してしていた扱いを、あなたはご存知でしたか? 噂にはなっているので、あなたの耳にも入ってきているとは思いますが」
「いえ、知りませんでした……まさか、そんなひどいことをしているなんて、思ってもいませんでした。もし知っていたら……」