派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「ですが、お二人を見かけて挨拶をしないというのも変な話ですし、話しかけさせてもらいました。聞きたいことも、ありましたので……」
「聞きたいこと?」
「リオーブ様のことを知りませんか? そろそろ、こちらに来ていないとまずいと思うのですが……」
「リオーブ様ですか? えっと……私は、見かけていませんね」
「ええ、僕もです」

 ファルーシャは、婚約者のリオーブのことを探しているらしい。しかし、残念ながら、私もバルクド様も彼を見かけていない。
 彼女の言う通り、そろそろ魔法学園の入学式が始まる。まだ来ていないというのは、心配になってもおかしくはない。

「でも、ファルーシャさん。あいつは、基本的に待ち合わせ時間のぎりぎりを攻める人間です。多分、ぎりぎりにならないと来ませんよ」
「そうですね……確かに、そうです。かなり……残念なことですが……」

 ただ、ここにいる全員が知っている。リオーブという人物が、非常に大雑把な人間であるということを。
 はっきり言って、こと彼に関してはこの時間に来ている方が意外ということになる。それ程までに、彼は時間にルーズな人間なのだ。