派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「リオーブ様、まずは私から話します。私には、とある記憶があります。この世界で過ごした記憶があるのです……この世界で生まれて、この学園で一年間を過ごした記憶が……」
「何?」
「この魔法学園で一年を過ごしたある時、私の時は巻き戻りました。人生をやり直すことになったのです」
「それは……」

 リオーブは、メルティナの言葉に驚いていた。だが、こちらの事情は彼にとっては理解できるはずだ。なぜなら、彼は二つの記憶を持っているのだから。

「実際に時が巻き戻ったのか、それともそれは私の夢だったのか。今まで、私はそれに対して懐疑的でした。しかし、あなたの話を聞いて、私は確信しました。自分の時が巻き戻ったのだと」
「なっ……そんなことがあるのか。いや、しかし、辻褄が合う。俺とあんたの二人が夢を見ていたと考えるよりも、そっちの方が自然か」
「ええ、そうです。だから、この世界は一度巻き戻っていると考えるべきでしょう」

 リオーブとメルティナ、二人の話で、この世界が一度巻き戻っていることは確定したようなものだ。流石に、二人も人間が違う記憶を持っているのだから、それはまず間違いないだろう。