派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「バルクド様や……ファルーシャ様は、そのことを知っているのですか?」
「ああ、知っている。あんたにだけ黙っていて、悪かったな」
「いえ、それは気にしないでください。私とお二人とでは、立場も大きく違いますし……」

 親友と婚約者の二人には、このことは知らされていたようである。それは、当然のことだ。私に話しているのだから、私よりも近しい二人に話していない訳がない。
 その事実によって、入学式の時のことも腑に落ちた。いつまでも来ないリオーブ様を仕方ないと思うファルーシャ様と、それでも来るべきだというバルクド様。あの時の二人の反応は、各々二人らしい反応である。

「俺は、今でも姉貴の魂が戻って来ることを願っている。あの頃の……元の姉貴に戻って欲しい。そういう思いが、俺の中にはずっとあるんだ」
「……元の姉貴? ちょっと待ってください。リオーブ様が物心つく頃には、お姉様は魂が抜けていたのですよね? それなのに、どうして、あなたが元のお姉様を知っているんですか?」
「うん? ああ、そのことか」

 そこで、私はリオーブの発言に違和感を覚えた。あの頃の姉貴、元の姉貴。それを知っているはずのない彼が、どうしてそんなことを言うのだろうか。