派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「察しているとは思うが、姉貴は魂奪取魔法を受けたような状態になっている。俺が物心ついた頃にはもうそうなっていたらしい。それが、俺があの魔法について詳しい理由だ」
「やっぱり……」

 リオーブは、私の予想していた通りの言葉を口にしてきた。それを言う彼の表情は暗い。当然のことだが、彼にとって、お姉様の状態はとても苦しいものなのだろう。

「……何回話しかけても、姉貴は何も言わないんだ。本当に、魂が抜けたみたいな状態でな……それでも、諦めず話しかけるんだが、全部無駄だった。こっちに来てから手紙も出しているが、それもきっと読まれていないんだろうな……」

 リオーブは、弱々しくそう呟いていた。それは、思わず口から出てしまった彼の弱音なのだろう。
 その弱音で、私は彼の遅刻ぎりぎりに来るという行為の理由を理解した。彼は、お姉様が何かを返してくれるのではないか。そういう期待のせいで。ぎりぎりまで姉の元を離れられないのだ。