〜湊月(ミヅキ)side〜
「はぁ眠た、」
正面から当たってくる太陽の光が余計に眠気を誘ってくる。あくびが出そうだ。そんなことを考えていると、
「おはよ!湊月!」
と、誰かが肩に腕を回してきた。
「なんだ珠莉かぁ、びっくりしたじゃん。」
「えへへ、ごめんごめん。」
私は一ノ瀬湊月。海凪高校の1年生で、人気雑誌の専属モデルをしているの。
珠莉こと高城珠莉(タカギ ジュリ)は、私の親友でモデルの同期だ。優しくて相談に乗ってくれる子なんだ。ちなみに私達2人は学校でダブルクイーンと呼ばれているらしい。何でか分からないけど、入学当初から私達がセットでいるとそう呼ばれることが多い。
「そういえば今日席替え発表の日だね。」
珠莉の言葉に私は、
「あれ、そうだっけ。」
と答える。
珠莉いわく、先週に先生が言っていたらしい。ちょうどその日、私は仕事があって学校にいなかったし知らなくて当たり前だ。
「次はどこの席になるんだろうね〜」
楽しそうに話す珠莉に「楽しみだね。」と言った後、少し前に見慣れた後ろ姿を見つけた。
「あっ瑠木!」
私がそう呼ぶとそっと振り向く。
一ノ瀬瑠木(イチノセ ルキ)は私の幼馴染。家も隣、誕生日は1日違い、苗字も一緒。そんな瑠木もなんと同じクラスの松浦くんとダブルキングと呼ばれている。何だかんだ顔は整ってるからね。
「おはよ湊月。」
瑠木はその場に立ち止まって私に手を振る。
私も同じように手を振り返し、珠莉を連れて瑠木の方へ小走りした。
朝のチャイムがなってみんな席につく。
教室に担任の伊藤先生が入ってきて、SHR(ショートホームルーム)が始まる。
話をぼーっと聞いていたけど席替えの話について振られると少しワクワクした。
終わりの号令がかかってみんな一斉に黒板に貼った座席表を見に行く。
私もその波に乗ったけど前にいる背の高い男子のせいで見えない。後から見るかと思って人混みを抜けると、誰かが「みんなやべぇぞ!」と声を上げた。
「一ノ瀬兄妹が隣同士だぜ!」
岡田くんがそう言うと、みんなが私と瑠木を交互に見てきた。そして、
「マジで?隣同士なん?」
「クイーンとキングを一緒に拝めるの!?」
「最高じゃん。」
と声が上がり、私も瑠木の方を見た。
眉間にしわを寄せていて、まるで私の隣が嫌みたい。
そう思っていたけど瑠木は、
「さっさと席確認した奴らから移動しろよ。邪魔なんだけど。」
と言葉を吐くように言った。
「ちょっとそんな言い方はないでしょ。」
私が瑠木の腕を軽く叩いて注意すると、瑠木は「だって邪魔なんだもん、」と口を尖らせて呟いた。
「だとしても言い方には気をつけてっていつも言ってるでしょ?」
「、、はぁい。」
私は、少ししょげながら席に戻っていく瑠木にため息をついた後、座席表を見て席の場所を確認した。
窓側から2列目の後ろから2番目かぁ。
なかなかいい席かも。
私はそう思って、席を移動した。
自分の席しか見てなくて、移動した後に後ろの席が珠莉だったことにびっくりした。
「ねえ見て、2班のメンバー。」
「えっ! ダブルクイーンとダブルキングが揃 ってる!!」
クラスのざわめきを聞いて気づいたんだけど、まさかあの松浦くんまで同じ班だったのだ。
松浦くんは私の左斜め後ろ、つまり1番角の席だ。
松浦くんこと松浦悠光(マツウラ ユウヒ)くんは瑠木とダブルキングと呼ばれている。
顔は日本人顔というより韓国人顔で、1年生ながらバスケ部のエースらしい。
勉強もすごくできて、女子から告白された回数は30を超えてるだとか。
そんな松浦くんはいわゆる、学校1の人気者と言っても過言ではない。
今だって数学の予習をしているのか、教科書とノートを開いて、シャーペンを動かしている。
「みーづき。」
急に肩をトントンと叩かれて、珠莉が私を呼んだ。
「どしたー?」
私はそう言って、身体を後ろに向けた。
「今日湊月って単独撮影だよね。」
「そうだよ〜。」
「今回のメイクめっちゃ可愛かったの!写真みる??」
「見たい見たい!」
珠莉のスマホで写真を見ると、秋らしいブラウン味のアイシャドウが大人な可愛さを引き立てている。
これなら今回はだいぶ盛れるぞ!?
その後、いつも一緒にいる捺未(ナツミ)と隣のクラスの由莉(ユリ)が来て、コスメの話で盛り上がった。
「新作のアイライン買った?」とか、「あのファンデーションのカバー力すごいよ!」とか。
こうやって、たわいのない話で笑い合える関係が楽しくって、いつまでも続けばいいなって思う。
今日から君の隣。
「はぁ眠た、」
正面から当たってくる太陽の光が余計に眠気を誘ってくる。あくびが出そうだ。そんなことを考えていると、
「おはよ!湊月!」
と、誰かが肩に腕を回してきた。
「なんだ珠莉かぁ、びっくりしたじゃん。」
「えへへ、ごめんごめん。」
私は一ノ瀬湊月。海凪高校の1年生で、人気雑誌の専属モデルをしているの。
珠莉こと高城珠莉(タカギ ジュリ)は、私の親友でモデルの同期だ。優しくて相談に乗ってくれる子なんだ。ちなみに私達2人は学校でダブルクイーンと呼ばれているらしい。何でか分からないけど、入学当初から私達がセットでいるとそう呼ばれることが多い。
「そういえば今日席替え発表の日だね。」
珠莉の言葉に私は、
「あれ、そうだっけ。」
と答える。
珠莉いわく、先週に先生が言っていたらしい。ちょうどその日、私は仕事があって学校にいなかったし知らなくて当たり前だ。
「次はどこの席になるんだろうね〜」
楽しそうに話す珠莉に「楽しみだね。」と言った後、少し前に見慣れた後ろ姿を見つけた。
「あっ瑠木!」
私がそう呼ぶとそっと振り向く。
一ノ瀬瑠木(イチノセ ルキ)は私の幼馴染。家も隣、誕生日は1日違い、苗字も一緒。そんな瑠木もなんと同じクラスの松浦くんとダブルキングと呼ばれている。何だかんだ顔は整ってるからね。
「おはよ湊月。」
瑠木はその場に立ち止まって私に手を振る。
私も同じように手を振り返し、珠莉を連れて瑠木の方へ小走りした。
朝のチャイムがなってみんな席につく。
教室に担任の伊藤先生が入ってきて、SHR(ショートホームルーム)が始まる。
話をぼーっと聞いていたけど席替えの話について振られると少しワクワクした。
終わりの号令がかかってみんな一斉に黒板に貼った座席表を見に行く。
私もその波に乗ったけど前にいる背の高い男子のせいで見えない。後から見るかと思って人混みを抜けると、誰かが「みんなやべぇぞ!」と声を上げた。
「一ノ瀬兄妹が隣同士だぜ!」
岡田くんがそう言うと、みんなが私と瑠木を交互に見てきた。そして、
「マジで?隣同士なん?」
「クイーンとキングを一緒に拝めるの!?」
「最高じゃん。」
と声が上がり、私も瑠木の方を見た。
眉間にしわを寄せていて、まるで私の隣が嫌みたい。
そう思っていたけど瑠木は、
「さっさと席確認した奴らから移動しろよ。邪魔なんだけど。」
と言葉を吐くように言った。
「ちょっとそんな言い方はないでしょ。」
私が瑠木の腕を軽く叩いて注意すると、瑠木は「だって邪魔なんだもん、」と口を尖らせて呟いた。
「だとしても言い方には気をつけてっていつも言ってるでしょ?」
「、、はぁい。」
私は、少ししょげながら席に戻っていく瑠木にため息をついた後、座席表を見て席の場所を確認した。
窓側から2列目の後ろから2番目かぁ。
なかなかいい席かも。
私はそう思って、席を移動した。
自分の席しか見てなくて、移動した後に後ろの席が珠莉だったことにびっくりした。
「ねえ見て、2班のメンバー。」
「えっ! ダブルクイーンとダブルキングが揃 ってる!!」
クラスのざわめきを聞いて気づいたんだけど、まさかあの松浦くんまで同じ班だったのだ。
松浦くんは私の左斜め後ろ、つまり1番角の席だ。
松浦くんこと松浦悠光(マツウラ ユウヒ)くんは瑠木とダブルキングと呼ばれている。
顔は日本人顔というより韓国人顔で、1年生ながらバスケ部のエースらしい。
勉強もすごくできて、女子から告白された回数は30を超えてるだとか。
そんな松浦くんはいわゆる、学校1の人気者と言っても過言ではない。
今だって数学の予習をしているのか、教科書とノートを開いて、シャーペンを動かしている。
「みーづき。」
急に肩をトントンと叩かれて、珠莉が私を呼んだ。
「どしたー?」
私はそう言って、身体を後ろに向けた。
「今日湊月って単独撮影だよね。」
「そうだよ〜。」
「今回のメイクめっちゃ可愛かったの!写真みる??」
「見たい見たい!」
珠莉のスマホで写真を見ると、秋らしいブラウン味のアイシャドウが大人な可愛さを引き立てている。
これなら今回はだいぶ盛れるぞ!?
その後、いつも一緒にいる捺未(ナツミ)と隣のクラスの由莉(ユリ)が来て、コスメの話で盛り上がった。
「新作のアイライン買った?」とか、「あのファンデーションのカバー力すごいよ!」とか。
こうやって、たわいのない話で笑い合える関係が楽しくって、いつまでも続けばいいなって思う。
今日から君の隣。