運命の”アイ”ナンバー

お前たちは受験生だからとか、もうすぐで文化祭があるからなとか、結婚とは何なのかなど長々と斎藤の話を聞いたあと、全校生徒が体育館に集められて始業式が始まった。

担任の次は校長の長話し、お尻は痛くなるし眠い。校長の話を子守唄にしたくはないのに。

「(起きろバカ)」
「(ん!)」

和樹…やっぱりあいつはばかだな。

教室に戻り幾つかの課題を提出したら下校の時間。
今日は午前中のみで午後からは帰宅する人もいれば居残りして勉強する人もちらほら見える。

「のぞ。また明日な」

「ああ。また明日」

本当に部活好きだよな、彼女が待ってるからか?
まだ暑いとは言えもう9月なのに、水泳部もよくやるな。

…彼女無部活なしの僕は帰りますよ。

「noa、だれだ?」

和樹以外誰からも来たことがないチャットアプリから「1」の数字がnoaと言う名前の人物から送られてきた。

ーー橘乃愛です。突然すみません。13時に美術室の隣にある空き教室に来てください。待っています。ーー

これはいわゆる呼び出しと言うやつなのか?そうなると今日僕は告白されることになるよな、あの美人で無口と有名な橘さんから。

…うん、無いな。絶対ない。

この後のお昼ご飯を決めるよりも早い決断ができた、だって話したことないし。それなら何で僕を呼び出したのか気になるところなのだけれど。

「今考えても仕方ないか」

まだ11時だし、とりあえず近くのファミレスでパスタでも食べて暇つぶしするか。