運命の”アイ”ナンバー

朝っぱらから早々になんだ?僕は手相なんて分からないぞ。

「……ん!」

「ん?」

ああ。親友同士の固い握手をご希望なのか。
朝から照れるが唯一の親友からのお願いとあれば仕方がない。僕は右利きだけど和樹の為にここは左手を差し出さおう。

「そうそう、握手しながらおはよう…ってちげーよバカ。誰がお前となんか握手するか!」

「それなら何のようだよ」

「(お前昨日ずる休みしてバイクでどっか行ってただろ?のぞの家の前にあった親父さんのバイクなかったからさ)」

そう言う事か。つまりこいつは斎藤に嘘をついてあげたお礼にお土産か何か寄越せと言っているのか。

それよりも男同士でこそこそ話はやめろ、耳に吐息が背筋がゾッとする。

「生憎お土産は美術展のパンフレット3冊くらいだ。悪いな、今度何か奢るよ」

「ちぇ、まあいいや。綾乃に癒してもらうし~~~」

これ見よがしにイチャイチャ発言しやがって。もう二年も付き合ってるのか、告白が成功したと喜んでいる和樹を見た時、正直一年も持たないと思っていたのに。

もちろん和樹が見捨てられる方に一票だった。

「そういや昨日連絡し忘れてたけどさ文化祭実行委員、のぞと橘になったから」

「…は!?聞いてないぞ!」

「しょうがねぇだろお前ら2人、昨日いなかったんだし。皆早く帰りたかったし、部活に遅れそうだったんだよ。んじゃがんば」

あいつやっぱり恨んでやがったな。橘さんはこの事ー……はぁ知ってたのね。
ーー頑張りましょうね!ーー