「面接の時、言ってないのよね…。障害者手帳持つのには該当しないって医者からも言われてるし、隠したわけじゃないけど…いや、隠してたのかも…」

私は、念のために普段はヘルプマークをつけているし、クリニックで頓服ももらっているが、地元に戻ってからは、今日まで発作を起こしたことがなかった。

「泊まりじゃないとはいっても、こういう団体旅行は苦手だろ?それで発作起きたのかもな。帰りは俺が送るよ」

「え?どうやって?」

「もし、誰か体調崩した時のために、俺はここまで自分で運転してきてるんだ。必ずしも、親御さんが迎えに来てくれるとは限らないだろうから」

私は、ふと中学3年の修学旅行を思い出した。

団体での旅行が不安で仕方なく、これ以上、遠くへ行く前に戻らなければ…!と。

教師に強い不安感を訴え、一人で帰ろうとしたのだが、それは許されず、結局は親に迎えに来てもらって帰宅したことを。

もし、親が迎えに来てくれなければ、どうなっていたのだろう。