純色ロマンティック

んんっ、と咳払いをして喉の調子を確かめる。

「風邪か?」と加藤が言うのは完全無視。


俺は風邪で喉がいがらっぽいわけじゃない。

ちょっと声に張りが必要だからだ。


息を吸い込んで……



「よしっ、帰るかー!」

「おー、ってか、声デカくね?つーか、どっか寄ってく?」

「そうだな、腹減ったし」

「んじゃ、コンビニで肉まんにすっかー」

「だな、四つ角交差点のところにあるセブンな!」

「オッケー」

「四つ角な!セブンな!」

「……あ?帰り道、コンビニ、あのセブン以外ねぇじゃん?」

「四つ角にあるセブンの肉まん!うまいよなー!」

「……は?セブンの肉まんはどこも同じじゃね?」



怪訝そうに首を傾げる加藤。

加藤、おまえの反応は正解だ。俺たちの通学路にセブンは、あの四つ角交差点にしかない。

そしてセブンの肉まんは大量生産だから、どこでも同じうまさだ。


しかし、俺が目指すのはそこじゃない。

俺の目標は。



「(柏木さんに、安心安全なストーカーライフを提供することだ!)」



それ一択!