神よ。あたしはこころのなかにいるあなたを神だとずっと思ってきましたが。
ごめんなさい。
神は、いまあたしのとなりにいてくれる新庄くんだと思います。
ふわふわの雲、その上で微笑む新庄くんから後光が差している。
うん、神で間違いない。
「んー、ちょっと深呼吸してみ?」
「は、はい。」
新庄くんがすーはーと肩を上下させて見本を示してくれたので、あたしもそれに倣って体中の空気を入れ替える。
「もっかい?」
「……はい。」
「大丈夫?」
「……はい。」
胸に手を当てて、何度か一緒に呼吸を整えてくれる新庄くん。その動作をあたしは真似ただけだというのに
「うん、上手にできました」
新庄くんは優しく目尻を溶かして、背中を丸めてあたしを覗き込む。
……遠くから見ているときは、気づかなかった。
こんなに、きれいな瞳をしている人だなんて。
濃い茶色の虹彩が、柔く揺らいで。
そこに映っているあたしを閉じ込めるように、新庄くんが笑うから……。
かぁっと頬が熱くなって、慌てて目を逸らした。
「(新庄くんこそ、褒め上手だ……、それに……)」
ちらりと、視線を新庄くんに戻せば、さっきよりも一段と優しい視線があたしを待っていた。
どきんっと跳ねた鼓動に戸惑ったけれど。
深呼吸できたぐらいで、こんなに褒めもらえるなんて。
「(新庄先生は、甘すぎます……)」

