「信愛ちゃん、おかえり」

 どうやら信愛は意識を失ったまま景の膝枕で横になっていたようだった。

「ひ、ひかり、ちゃん……! わた、しッ……ぅぅう、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!」

 信愛は景を力いっぱい抱きしめて、彼女の胸の中で泣き崩れる。

「よく頑張ったね」

「うあああッ……! 優武くんッ、ずっとッ、私の傍にッ、居てくれるッ、ってああッうあああッ……!」

「うん、うん」

 景はしゃくり上がる信愛を慮ってか、彼女の背中を何度も摩る。

「私、優武くんのこと、大好きなの! 本当に、大好きなのッ!!」

「そうだよね、あんなに素敵な旦那さんだもん」

「ありがとうって、いっぱい伝えたかったよッ……!!」

「大丈夫だよ、その言葉も思いもちゃんと彼に届いているからね」

「うああああああああああああああッッ……!!」

 感じるよ、今も優武が優しく抱きしめてくれている。

 愛ってすごい。どんなことがあっても傷つかないし、いつもいつまでも寄り添ってくれて、どんなに時が経とうと衰えないものなんだ。