好きな人と一緒に告白現場に遭遇しました。

 高校に入って、憧れの吹奏楽部に入って。

 クラリネットの練習をはじめたんだけど、リコーダーなんかより音を出すだけでもずっと大変で、息は苦しいし、下唇には穴が開きそうになるし。

 部活に入って、二ヶ月目くらいの頃だったかな。

 正直、くじけそうになってた。

 そんなとき、宮部くんの掛けてくれたあの言葉があったからこそ、折れずに乗り越えられたんだ。

 ずっとわたしのがんばりを見ててくれた人がいるんだって。

 そのときから、わたし……宮部くんのことが好き。

 ううん。そのときからかは、わからない。

 けど、あのことがあってから、宮部くんのことが気になってしかたなくて。

 グラウンドでサッカーボールを真剣に追いかける姿とか、同じサッカー部の子たちと、日本代表の試合のことをしゃべっている楽しそうな顔とか。

 気付いたら、宮部くんのことばかり見てた。