好きな人と一緒に告白現場に遭遇しました。

「そうだ。なんかまだしばらくかかりそうだったし、よかったら、ちょっとホテルの外、出てみない?」

 そう言って、いたずらっぽい笑みを浮かべる宮部くん。

「で、でも、外出禁止って……」

「ちょっと外出て星見て帰ってくるだけだって。な?」

「うん……」


 なに、これ?

 あまりにもうれしすぎる展開に、頭が全然ついていけない。


 実は、違うクラスだった一年生のとき、一回だけ宮部くんが声を掛けてくれたことがあったんだ。

「クラリネット、めちゃうまくなったな」って。

 笑顔で声を掛けてくれたあのときのことが、今でもずっと忘れられずにいるんだ。