好きな人と一緒に告白現場に遭遇しました。

 宮部くんが、親指を立てて、わたしが今歩いてきた方を指さしている。

 向こうで終わるのを待とうってこと?

 たしかに、この様子では、まだしばらくかかりそうだし……。

 万が一、ここで立ち聞きしてるのがバレたら、それこそヤバい気しかしない。

 こくりと小さくうなずくと、わたしは宮部くんと一緒に売店の方へと戻っていった。


「ごめんなー。完全に神崎のこと、巻き込んじゃったよな」

「ううん。全然」

「駿介のヤツさ、ガチでずっと吉見のこと好きだったんだけど、アイツ、見た目チャラいだろ? だから、吉見にずーっとガン無視されててさ。でも、修学旅行でコクるって覚悟決めてきたんだって」

「そう、だったんだ」

「でも、アイツと吉見だろ? あまりにも心配で、あそこで見守ってたんだけどさ。まさか神崎が通りかかるとは思ってなくて。ほんと、ごめんな」


 宮部くんが、ものすごく申し訳なさそうに言う。