好きな人と一緒に告白現場に遭遇しました。

「そ、それ、本気で言ってるの?」

「じゃなきゃ、クラス委員になんて立候補しないし。オレ、実は昨年からずっと和葉のことが気になってたんだ」


 困惑気味な吉見さんに、沢くんがぐいぐい迫っている。


 これって……告白!?

 しかも、あの沢くんが? 吉見さんに??

 沢くんの、いつものヘラヘラした雰囲気はどこにもなく、真剣そのものっていう感じ。

 それにしても、宮部くんが足止めしてくれて、助かったよ。

 さすがに、こんなところに一人で突っ込んでいく勇気なんかないし、多分人が通りかかったら、吉見さんは知らん顔してこの場を立ち去ってしまうはず。

 でも、どうしよう……。

 エレベーターホールに行くには、ここを通らなくちゃいけないんだけど……。

 わたしたちの部屋のある五階の自販機が売り切れで、一階の売店までやってきた帰り道。