「お前はこのままでいてくれ〜
　社会に染まるな〜」

「いや、下山先生だから言うんですよ
　他の人だったら何も言いませんって」

「…………河本は本当いい奴だよ
　もっと自信持て」

「持てたらいいですね」

「持てるよ
　アイツにも出来たんだ
　アイツ以上に自信なさそうな奴見たことないから」

「アイツって……水無瀬先生？」

「おう
　私なんかとか無理、出来ないがアイツの口癖だったからな
　それが今じゃ………堂々としてただろ？」

「そうですね………」

「お前なら大丈夫だから
　俺が保証する」

「…………頑張ります」

「だから！
　お前はもう頑張りすぎてるから！！
　これ以上頑張るな
　俺を見習って休め」

「見習うところが違うと思います」

「ハハっ、確かにそうだな
　でもお前は…無理だけはするなよ
　お前の頑張りは伝わってるから」

「……………下山先生って変わってますよね
　普通、頑張れって言うところじゃないですか？
　もうそこまで受験が迫ってるのに」

「頑張れって言っちゃいけない奴がいたからな
　お前も同じタイプだから」

「それも水無瀬先生ですよね」

「正解！
　よく分かってるなー」