「苦しくてもいいから………」

「絶対ダメ!!
 喘息じゃなくても体に悪いから」

「…………雄斗もじゃん」

「だから俺もやめるから
 香音もやめよ、な?」

「……………………」

「上着のポケットに手入れてみて
 その中に棒付きキャンディーあるはずだから」

そう言うと香音は手をポケットの中に入れた

再び出すと2つのキャンディーが手のひらにあった

「………これ?」

「そう
 それ舐めてれば口元寂しくないから」

「…………たまに雄斗がこれ舐めてたのってそう言うこと?」

「まぁな
 香音いたら吸えないだろ
 まさかお前も吸ってたとは思わなかったけど」

「………………やだ
 タバコがいい」

「無理
 頼むからやめてくれ」

「………………」

「どっちがいい?
 好きな方舐めな」

「……………どっちも嫌」

「えー、あっ!
 これ美味かったよ
 舐めてみてよ
 気に入らなかったら俺が貰うから」

そして包みを取り、嫌がっている香音の口元へ運んだ

そうすると香音も口の中に入れてくれた

「どう?
 美味しくない?」

「…………タバコの方が美味しい」