〜雄斗目線〜

「香音!
 おい!!
 しっかりしろ…!」


俺が呼びかけても返事をしない

ただ苦しそうな息遣いを繰り返している


そして俺は電話をかけた

「………………もしもし?」

「親父!
 助けてくれ!!」

「雄斗?
 どうした?」

「香音が…! 
 ずっと苦しそう……」

「急に苦しみだしたのか?
 持病とかは?」

「喘息の発作起こして……意識がなくて……
 そのまま苦しそうにしてて……」

「吸入器は?」

「………分かんない」

「バカ、早く救急車呼べ!
 薬ないのに放ったらかすのか!」

「呼べないんだよ!
 こいつ……今日病院抜け出して来たから………」

「………話は後で聞く
 取り敢えずうちから救急車向かわせるから
 雄斗の家だよな?」

「あぁ
 助かる………」

「……落ち着いたら院長室に来るように
 その子のこと、ちゃんと見とけよ」

「分かってる………ありがと………」


電話を切ると数分して救急車が来た

やっぱ親父は頼りになるな…………

何も聞かないでここまでしてくれるなんて…………



そんなことを考えていると親父の病院へ着いた