私の人生を変えてくれた人 〜もし君が生きてたら〜 後編


やっぱり鍵置いといて良かったな………

「関口先生、良かったら中へどうぞ
 多分………そんなにすぐ戻れるとは思えないので……」

「じゃあ………お言葉に甘えて
 お邪魔します」

「どうぞー
 散らかってますけど
 香音ー、いるんだろー?」

そして俺は言葉を失った

リビングへ入った瞬間、香音が倒れていた

しかも腹部や足のところから血がでている

「おい!
 香音!?
 どうした、しっかりしろ!!」

何度呼びかけても返事をしない

どうしてだよ………

そして気づいてしまった

近くにカッターが落ちていることを

まさか………これで…………

嘘だろ………

「……………下山先生、それは違うと思いますよ」

関口先生もカッターの存在に気づいたのだろう

「それじゃあ………何で………」

「……………恐らく手で
 岩本の手………爪の辺りが凄い血が付いてる
 それにカッターの刃の部分には付いてない
 ……………後一歩の所で踏み止まったんだと思いますよ」