「……………心当たりって……どこなんですか?」

車に乗るとそう聞かれた

「多分…………俺の家ではないかと………」

「じゃあ向かいますか」

そして車を発進させた




「……………岩本……心配ですね……」

「はい…………せめて俺の家にいてくれればいいんですけど…………」

「ですね………
 岩本、スマホ持ってないんでしたっけ?」

「はい……何も持たずに出て来たようで
 移動してても徒歩圏内ですかね
 あいつ体力もないですし………どこかで倒れてないといいんですけど………」

「病院から下山先生の家までどのくらいですか?」

「俺でも歩いたら1時間弱かかります
 歩けなくはないですけど…………普通ならバス使っちゃいますね
 香音なら………1時間以上はかかるでしょうね」

「そう………ですか………」


その後は何も話さなかった


道を案内するだけで





















そうして俺の家が見えてくる

「ここです」

「家の前に車停めちゃっても大丈夫ですか?」

「大丈夫です
 ありがとうございます」

関口先生のおかげで思っていたよりも早く着けた

後は香音がいるといいんだけど……




ガチャ

「…………っ!
 …………関口先生、香音います」

「本当ですか?
 良かった……」

玄関に入ると香音の靴があった

やっぱり俺の家にいたか………

ポストの裏に隠してあった鍵も無くなっていた

これ使って中に入れたか………良かった