「香音ちゃん……ごめんね…
 来るの遅くなって………怖かったよね」

「ハァハァハァ……」

「……俺いたらやだ…?
 心配だから………山中先生が来るまではいたいかな」

「ハァハァハァハァハァ……やだ……ハァハァハァハァ………」

「……分かった
 山中先生に連絡するね
 何かあったらいつでも呼んでね」

そして北条先生も出て行った

やだよ………もう………こんなところいたくないよ…………

どうして………なんでよ……………




そしてベッドから起き上がった


……あまり………足に力が入らない…………

でも………行かなきゃ………


幸いここは病院の出入り口に近い

早くしないと………誰かにバレないように………

















病院の中はとても混んでいた

そのおかげで誰にもバレずに病院を出ることができた











外は少し肌寒かった

しかも服を着替えてこなかったから少し浮いている

それにお金もスマホも持ってきてない……


それでも…………雄斗に会いたかった…


雄斗の家ならここから歩けないわけでもない


だから雄斗の家に向かうことにした


雄斗の家なら………隠してある鍵の場所を知ってる

もしもの時のためにポストの裏に鍵を隠してある

それを使えば…………中に入れるはず…………