「失礼します」
「お、戻りましたね
前田君、これ使って香音さんの胸の音聞いてみてください」
「えっ…………」
「ご本人から了解は得られてますから
君も実際に聞いてみた方が勉強になりますよ」
「…………………分かりました」
「あ、でも背中の方から聞いてくださいね
多分それでも分かるので
服の中に手だけ入れるように」
「はい
……えっと…………香音……ごめんな………」
そして再び私の背中に聴診器が当てられた
「……………山中先生……これは………」
少しすると離れた
「やるべきことは分かりますか?」
「はい」
「では……この通りに香音さんと行ってきてください
最後のは決して無理させないように」
「分かりました」
「前田君、頼みましたよ
香音さんすぐ逃げるから
逃げないようにちゃんと見ててくださいね」
「………頑張ります」
「……………香音さん、下山さんは人質ですから
ちゃんと検査行ってきてくださいね」
「雄斗を人質にとるのは酷いと思います!」
「仕方ないじゃないですか
君がすぐ逃げるから
僕が付いて行ってもいいんですけどね……たまには違う人に任せようかなと」


