「………………振り離してもいいですか?」
「じゃあ泣きます」
「……………雄斗が泣いてるところ見てみたいかも……」
「んな!?
お前、それはないぞ!」
「………あまり見たことないんだもん」
「じゃあ泣かない!」
「えー」
「ほら、行くぞ!
山中先生待たせちゃうだろ?」
「………待たせていいもん」
「良くない
お前が何と言おうと俺は連れてくから」
そしてまた手を引っ張りながら歩き始めた
病院に向かっている途中、香音はずっと無言だった
しかも機嫌が悪そう………
まぁ仕方ないか
そしてどうにか着いた
一切何もしようとしない香音を横に勝手に受付などもすまして待合室へ向かった
そして端末で呼ばれてからも動こうとしない香音の手を握って無理矢理連れて行った
コンコン
「失礼します」
「こんにちはー」
「こんにちは………香音、俺の後ろに隠れるな」
「……………………」
嫌々俺の後ろから出てくれた
「香音さん……なかなかの不機嫌ですね」
「アハハ………ちょっと強引に連れて来ちゃったので」