「してただろ!
 まだ中学生の香音を変な目で見てたくせに」

「………………香音にだけだ
 何で佐藤こそそれに気づいたんだよ」

「…………俺はずっと見てたんだよ……香音を………入学式で初めて香音を見て一目惚れしたんだよ!!
 だから香音を見てたらお前も香音のこと見てた」

「…………お前の方こそやばいだろ」

「教師が生徒に手を出していいのかよ!
 それに………二人で教室にいるところとか準備室に入っていくところ何回も見たんだぞ!」

「そうだったのか
 まぁそれも今となっては時効だけどな」

「はぁ!?
 今からでも訴えてやるぞ!」

「やれるもんならやってみろ
 香音が悲しんでもいいならな」

「っ………………俺、お前のこと嫌い
 昔も今も変わらねぇ」

「奇遇だな
 俺も香音のこと泣かせる奴は嫌いだ」

「お前のせいで香音は泣いてたのにか!!」

「これからはその分、たくさん笑顔にするんだよ
 もう一人で泣かせないから」

「その腕で香音を守れるのかよ!!
 動かないんだろ?
 その右腕」

「どうして…それを……………」