「でもすぐ退院することも出来ないので…………入院に………」
「ですよね………」
「香音さんの性格……少しは分かったんです
数回の診察でも…………この子病院嫌いなんだなーと………たまに逃げようとしてたので………」
「そうだったんですね………」
「入院中……さすがに逃げ出されるわけにもいかなかったので………個室ではなく相部屋にしたんです………誰かがいれば逃げないと思ったので………」
「……まぁそうなりますよね」
「そこで思いついたのが………玲華さんだったんです
彼女は……香音さんとも歳が近く……話し相手が欲しいとも何度も言っていたので………丁度いいかなと………
彼女は人懐っこいから………香音さんとも仲良くなれると思ったので………」
「………………………」
「…………予想通り、玲華さんと香音さんはすぐに仲良くなりました
二人とも……ご両親が忙しくあまりこないことが多く………二人で過ごす時間が大半を占めていました」
「……そんなに仲良い子が………」
「…………彼女達は……本当の姉妹のようでした………
朝から就寝時間まで………彼女達の部屋からはいつも楽しそうな笑い声が聞こえてました
…………あの日まで……」
「…………………………」
「あの日の夜………担当患者を一通り見てから帰ろうとして………彼女達の病室を訪れました
でも………玲華さんはまだ起きていたんです………とっくに就寝時間を過ぎているのに………」